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当店のこだわり

〜農産物が工業製品に代わる過程〜

 畳屋さんは現在主に、工場での作業になります。お客様の見えない場所(工場)で製造する畳屋さんに関しては、搬入・搬出時以外はベールに包まれている部分が多くあります。

値段だけで畳の価値、決めていませんか?

 畳屋は主に、現場では見えない工場作業の為、お客様に要所の作業内容が伝わっていないと感じています。もちろん仕上がった畳は一見、綺麗な畳表に生まれ変わりますので、お客様は大変喜ばれます。ですがそれだけでは「どういう過程を経て仕上がっているのか?」綺麗な畳表をかぶせた状態では分からなくなってしまいます。そんなベールに包まれている、仕上がると分からないような畳の中身を公開したいと思います。

 

 

  1.施工前

 2.畳床裏面

 3.使用材料は産地直送品

 今回施工にあたるО様邸。電話を頂いた時、「40年近く前の畳」だということです。家の爺さんが新築時・新畳(本藁床)を収めたままです。40年近く経っていることから今回全て入れ替えの新畳をお勧めするつもりでお伺いしました。

 拝見したところ、例外ですが、思った以上に状態が良く、畳床はそのままの表替えになりました。畳床裏面が"コモ裏地"で、返し縫いが手縫いです。針足が細かく、丁寧に縫われていました。裏面に記された「45.8」という墨付けは、「昭和45年8月」に家の爺さんが制作したという隠れた証です。

 今回使用する畳表は平川公治さんの畳表。荒床、畳床共に40年経過した現在でも状態がよく、当時製作した大工さんの"気"を感じます。地の厚い畳表も難なく付けられました。お客様に「良い畳じいちゃんに入れてもらったから長持ちしたのかな。」と言われ、今回は厳選した畳表を使わせていただきました。程よい本藁畳の軟らかさは、もはや時を経た「味」です。

 

 

4.床下清掃/before

5.床下清掃/after

6.畳の縫い糸の始末 before

 今回、人の歴史と共に歩む、丈夫な本藁床の魅力を再認識しました。大工さん達と「良い家を作る」という"気合い"みたいなものを、時を経ても難なくたたずむ住まいや、細かく手縫いされた畳に感じました。

 床下はさすがに十数年分のほこりが溜まっていました。使用しなくなった掘りごたつの中まですっきり清掃します。合間浮いてしまった床板の釘を叩きます。畳替え=部屋の清掃にもなります。

 

 

7.畳の縫い糸の始末 after

8.角補修・before

9.角補修・after

 

 畳の角補修。畳の急所である畳の角の隙間を埋めます。矢印の隙間を埋めます。

 刃型に切ったイ草を縫い付けしっかり補修します。これでぴったり。畳を運ぶ時、角を立てるのはタブーです。

 

10.畳床 框部分

  11.隙間補修・丈方向/before

12.隙間補修・丈方向/after

 さらに上に框紙代わりにクラフトテープを張り付けます。これをすることで、畳表の角が痛みにくくなり、裏返しの際綺麗に仕上がります。

 昔、裏返しされた際の隙間補修はボロボロです。この補修は手縫いで施工されていますが、タッカー(ビス)留めで補修されたものが量産型の補修施工によく見られます。タッカーでは畳表に錆が付く他、角も落ち仕上がりが良くありません。とりあえず全て取り払います。

 端と端をロウで止めたゴザの切れ端を、空いた隙間分の厚みに切り、細かくがっちり縫い込み直します。タッカー留めに比べ大幅に時間がかかりますが、これをすることで新畳のような強度に仕上がります。もちろん次回施工するときに無駄な手間が掛りにくくなります。

 

 

 隙間補修・幅方向/before

隙間補修・幅方向/after

 

 新築時はきっちり隙間なく収められた畳も、年数の経過と共に写真のように指の入る位隙間ができてしまっています。

 比較的隙間が空き難い、幅方向も長い年数を経て隙間が空いてしまうこともあります。写真のようにガッチリ上下を縫いこみ、新畳に戻すつもりで仕上げます。空いた隙間の分だけゴザを折って縫い付け補修しました。これでバッチリ。

 隙間補修・幅方向/after2

 

 

  このようにぴったりくっつきます。この施工は意外と経験が必要です。